前節から中3日。5連敗で心身の疲労が蓄積しているところで、仙台は川崎F戦を迎えた。「心身の回復を最優先した」(渡邉監督)ことで、負傷者以外の全員で紅白戦ができたのは試合前日のみ。だがこの3日間が、多くのものをもたらした。川崎F戦を前に武藤は「チームに勢いを加えたい」、中原は「点が欲しいときのチームの要求に応えたい」、そして角田は「こういうときこそチームのために何ができるか、いつも以上に考えへんと」と意気込んでいた。それぞれここ数試合は満足に出番を得ていない選手たちだ。しかし、そこで他人を責めるのではなく、この3日間、それぞれのやり方で味方を鼓舞していた。
川崎F戦では角田が先発に復帰し、CBで上本とコンビを組んだ。この二人に象徴されるように、チームはほぼ満員のアウェイの中で確認の声を絶やさなかった。30分ごろ、角田がウイルソンの肩を抱いて言葉をかけていたように。「みんなに『ありがとう』と言いたい」。5月6日の第12節以来のゴールを決めたウイルソンは、試合後に仲間に感謝した…