「僕自身、待ち望んでいました」
ヒーローインタビューでそう答えたように、駒井にとっては32試合目にしてようやく訪れた今季初得点だった。1-1で迎えた53分、守備陣が相手のカウンターを食い止めると、酒井がアウトサイドで放ったロングフィードは敵陣右サイドのスペースへ。走り込んだ駒井はエリア内までドリブルで侵入し、右足を一閃したシュートはGKの手をはじいてゴールネットを揺らした。
この場面、中央には大黒も並走していた。ボールを運びながら相手を引き付け、大黒にパスを出す選択肢もあっただろう。だが、駒井はエースをおとりに使うことで対峙したDFに距離を詰めさせず、自らシュートを放った。コースはやや甘かったが、迷いなく右足を振り抜いたことがゴールへつながったと言える。もし得点が決まらなかったら、なぜ「大黒に出さなかった」という声も出るだろう。そこはまさに「結果を出せば、何とでも言える」(駒井)シビアな世界だ。
そんな攻撃陣に課せられる状況が、駒井にとっては心地良いのだろう…