今季最も好機の少ない試合。それでも勝ち点を取る、湘南の真価
試合前、2位・松本が勝利したことを曺貴裁監督は選手たちに伝えたという。昇格を決めた第33節・京都戦のときと同様に、目標達成のための条件(引き分け以上)を知った上でチームがどんなリアクションを見せるのか、どういったサッカーができるのかに指揮官は期待した。それはこれだけリーグを独走したからこそできる、さらなる高みへの挑戦だった。
この日、サイドで存在感を見せた菊池を含め、多くの選手が「優勝への意識や緊張はなかった」と口にしたが、立ち上がりから勢い良く前に出たのは東京Vのほうだった。球際の強さや体を張ったディフェンスもそうだが、特に“寄せの速さ”が際立った。湘南が奪って速く前に持って行こうにも、東京Vの帰陣が速く、スピードに乗った攻撃を繰り出すことができない。ならばと、…