6月21日の第19節・讃岐戦。2-0と前半をリードして戻ったロッカールームで、一人怒気を含んだ声を挙げる選手がいた。
「いいか! 2-0が一番危ねえんだからな!」
浦和から山形への移籍直後、この試合が初の出場となった山岸だった。負けているときやうまく戦えていないときも、ハーフタイムには口数の少ないチームメートを鼓舞し続けた。もちろん、ピッチ上でも、練習場でも。紅白戦前には、石﨑監督が話し終えた主力組の輪の中で、ピッチ外のサポーターにも聞こえる大音量で、大事にすべきポイントを伝えている。そうした様子を観察してきた石﨑監督は、第24節・千葉戦(0●2)で山岸をゲームキャプテンに任命している。山形デビューから約1カ月のことだった。以来、キャプテンマークを巻いてのプレーが続く。
前節までの…