大きな目標を持って臨んだAFC・U-19選手権では、準々決勝で北朝鮮に敗北。描いていたよりも早い時期に、そして、世界への切符を得られず中谷はチームへ帰って来ることになった。その胸の中には、間違いなく悔しさがあったことだろう。しかし、何の皮肉か、このタイミングで帰国したからこそ、幼いころからの「夢だった」日立台のピッチに立つチャンスが訪れた。不動の存在だった鈴木が出場停止。近藤もコンディション不良で、右CBの位置での出場機会が巡ってきたのだ。
相手は、「Jリーグで一番うまいと思っている」宇佐美を擁するG大阪。試合前日には、「(緊張で)ガチガチになりそう」と想定しつつも、「恐れて、自分の力を出し切れないのが一番もったいないと思うので、ガツガツいきたい」という決意があった。
中谷の初舞台は、主将の気遣いから始まった…