百戦錬磨の背番号7が決勝で心懸けたいポイントを「気負わないこと」(遠藤)と語る中で、あえて逆の方向に突き進もうとするのが宇佐美である。
「僕が決めればチームが勝てるというぐらいの意気込みを持ちたいし、それぐらい気負ってもいい」
22歳の和製エースがあえてこう言い切るのには訳がある。ナビスコカップ決勝に先だって行われたJ1第31節・仙台戦(1△1)で後半に2本のシュートがバーとポストに嫌われ、無得点に終わった宇佐美は終了間際に痛恨の同点弾を許したドロー劇の責任を一身に背負おうとしていた。
「自分があらためて大事なところで決めないといけないと感じた」(宇佐美)。そう殊勝に語る背番号39だが、リーグ戦の猛追同様に、ナビスコカップの快進撃もこの男なくしてあり得なかった…