■サンフレッチェ広島
勝者のメンタリティーを備えつつある広島
聖杯を懸けた一戦を控え自然と気持ちは高ぶる中でも、広島は自然体だ。前回ファイナルへ進出した4年前とは明らかに違う。髙萩は「あれからいろいろな経験をしてきた。リーグ戦を優勝してきたし、しびれるような試合を何度も経験してきたので、うまく自分をコントロールできる」と、悠然と話した。タイトルを獲得してきた自信と経験を備えるチームは、浮足立つ様子がまったくない。
一方で、熱い思いもたぎる。10年のファイナル(延長で磐田に3-5と敗れた)は88分までリードしながら聖杯をつかみ損ねた。「4年前の悔しさはタイトルを獲ることでしか忘れられない」(森﨑和)。4年前だけでなく、広島はクラブとして天皇杯も含めて6度もカップ戦のファイナルで敗れてきた過去がある。今年の元旦も天皇杯決勝(0○2)で横浜FMに苦杯を舐めたが、
■ガンバ大阪
“広島封じ”のダイヤモンド型の中盤で挑む
パスサッカーの権化が、広島との一大決戦を前にこう言い切った。
「結果がすべて。内容よりも勝てばいい」(遠藤)。
日本代表にも復帰を果たしたチームキャプテンが勝利への飽くなき執念を燃やすのはチームの立ち位置を考えれば当然だ。
2年前の12月1日。磐田に敗れ、クラブ史上初のJ2降格を強いられた大阪の雄は、1年でのJ1復帰を果たすと昇格1年目にして三冠に可能性を残す暴れっぷりを見せている。西野朗元監督(現・名古屋)が率いた当時は毎年のようにタイトル争いを繰り広げてきたG大阪にとって、“常勝軍団”復活の狼煙を上げる絶好の機会がこの一戦である。
直近のリーグ戦(J1第31節・仙台戦)では後半ロスタイムに痛恨の被弾を許し、引き分けに終わったが、丹羽は「むしろ次への良い教訓になる」。あらためてワンプレーの恐さと重要性をチームがかみ締めたのは、決勝に向けた好材料だろう。
仙台戦後のオフを終え、…