■浦和レッズ
必要以上の力みはない。楽しむことで、望みの結果を手にする
1991-92シーズンの欧州チャンピオンズカップ(現・欧州CL)決勝、バルセロナのヨハン・クライフ監督はサンプドリアとの決戦に向かう選手たちにロッカールームでこう声を掛けたという。「最高の舞台を楽しんでこい」。
それはおそらく、やるべき準備はしてきたことやそこまで辿り着いた自信、そして「楽しむ」ことが力を最大限に発揮できると信じていたからこその言葉だったのだろう。いまの浦和もまさにその状態、境地に達していると言える。当然ながら決戦に向けて徐々に練習のテンションや緊張感は高まっているが、必要以上の力みは感じられない。
那須は「アウェイの前節・仙台戦(1△1)で一つの壁を乗り越えた」としつつ、あくまで意識的にではなく自然に「楽しまないと損だと思えるようになった」と言い、…
■ガンバ大阪
パトリックも軽傷。ベストなメンバーで臨める、2週間後の“決勝戦”
2週間前の8日、広島とのナビスコカップ決勝戦を3-2で制したチームは、同じ舞台で今季二度目の“決勝戦”に挑む。勝てば逆転優勝に望みをつなぐ一方、敗れれば宿敵の胴上げを見せ付けられることになる大一番。遠藤は言う。「どちらにもプレッシャーはかかる一戦。僕らはそれをいいように捉え、アグレッシブにプレーしたい」。
ナビスコカップに先だったリーグ戦前節の仙台戦は後半ロスタイムに同点弾を許し、浦和との勝ち点差は『5』と再び広がったものの、チームはナビスコカップの優勝で完全に息を吹き返した。
「16位から上がってきたので失うモノが何もない」(長谷川監督)。リーグ戦の再開を降格圏で迎えたチームにとって、優勝どころか、ACL圏も遠い目標だった。それでも、…