「われわれが標榜しているスタイルをかなりの部分でできた」(樋口監督)
伊藤はつかみ取った勝ち点3に頬を緩めた。「監督が退任になったのは僕らの責任でもある。一人ひとりがそれを思いながらピッチで表現できたと思う」。
決勝弾を挙げた兵藤はゴールシーンを振り返った。
「サイドからのクロスに(伊藤)翔がニアでつぶれ、ファーで決める。今年、練習で取り組んできたことをやっと試合で出すことができた」。横浜FMは敵地で華々しい完勝を収めた。
立ち上がり、横浜FMはCKを何度も獲得しながら主導権を握っていく。「一人ひとりの距離感が良く、ボールをうまく回すことができた。奪われた瞬間もしっかりプレッシャーを掛けることができた」と兵藤は話す。神戸の重心を後ろに下げ、前線のプレスを空転させながら栗原、中澤の両CBを中心に意表を突く配球を繰り出した。それを受ける伊藤や藤本ら前線は、…