
歴代コレオグラフィーの数々が埼スタへの道程を盛り上げた
電車内~浦和美園~埼スタ
22日、浦和の8年ぶりの優勝を懸けた、J1第32節・G大阪戦が埼玉スタジアムで開催された。試合会場へ向かう電車内といえば、これから目にするであろうスペクタクルに胸をときめかせ、興奮と雑音が入り混じるのが常である。しかしこの日、埼スタの最寄り駅である浦和美園行きの電車内には、少し息苦しいような、殺伐とした空気が充満していた。それは、乗り合わせたG大阪サポーターに対する浦和サポーターの声なき牽制であると同時に、「果たして、本当に今日で優勝できるだろうか?」という浦和サポーターの不安まじりの緊張感が作り出したモノでもあっただろう。
浦和美園駅前のロータリーには、早朝にもかかわらず、埼スタ行きのバスを待つ長蛇の列ができていた。スタジアムまで続く歩道には、大きなフラッグがズラリと並び、浦和の歴代スローガン、そして浦和サポーターがここぞという試合で披露してきた歴代コレオグラフィーが掲示されていた。人種差別問題により、3月15日以降禁止されていたコレオグラフィーがついに解禁されるこの日、決戦の地へ向かうサポーターを出迎える粋な計らいである。足を止め見入る人や記念撮影をする姿が各所で見られた。
試合前、埼スタの風景
7時30分、試合開始まで6時間以上あるというのに、スタジアム前には入場順を決める当日抽選で、“赤山”の人だかりができていた。その“赤山”の何組かに話を伺うと「今日で優勝を決めるつもりで来た。技術でくる感じじゃないのでパトリックは怖くない」と豪語する者がいる一方、「(優勝を逃した)7年前を忘れていない。今日は守備が大事」と慎重な者まで、さまざまな意見が混在していた。
当日抽選が終わると…