「最高のチームになっている。それを証明するあと2試合にしたい」。自らの退任を伝える場で、城福監督は選手たちにこう語りかけたのだという。
そして指揮官は選手たちを称えた。「サッカーに向き合う、次の勝利におのおのが自分の立場で向き合うという意味では、誰も(それらの目標から)外れなかった」(城福監督)。4試合にわたって無得点が続いたゴールデンウィーク、8試合続けて勝利から遠ざかった夏場と、チームが停滞した時期はある。しかしチームの結束は決して崩れず、サッカーの方向性もブレなかった。そこが残留と、目下の3連勝につながっている。
甲府はJ1の最強チームではないし、チームの一体感や連係といった要素はなかなか目に見えるものでない。しかし人件費がおそらくJ1最少の市民クラブが浦和、G大阪に次ぐ3番目に少ない失点数(第32節終了時点)で残留を決め、13位につけていることは、チームが“最強ではなくても最高”である一つの証明だ。
クラブ史上初…