「ベストメンバーで挑む」と試合前に公言していた指揮官の言葉に、嘘はなかった。わずか2日後に、負けられない神戸戦が控えるという過密日程にも関わらず、長谷川監督が送り出したのは足首に古傷を抱える岩下を除けばまさに「最強の11人」である。
開始早々の9分に相手GKの凡ミスでラッキーな先制点を得ると、14分にはCKからパトリックが追加点を決め、6,708人の熱心なサポーターが詰めかけた雨中の味の素スタジアムには楽勝のムードが確かに漂った。
ナビスコカップ決勝では2点のビハインドをひっくり返した大阪の雄ではあるが、この日は追われる立場で、2対0というスコアの難しさを実感した。「自分たちのミスで難しくした」と遠藤が振り返ったように、20分に中央での不用意なロストから失点を許すと、流れは先発の平均年齢が23.5歳の清水へ。リスク覚悟のハイプレスを繰り出すオレンジの勢いに押され、…