リーグ戦における歴史的な巻き返しのきっかけとなったのは宇佐美のゴール量産だったが、10月以降、背番号39は主役から脇役へと立ち位置を変えていた。
「リーグ戦では長い間点が取れていなかった」。自身も認めるようにリーグ戦で最後に得点が生まれたのは9月23日の第25節・清水戦まで遡る。
宇佐美の得点がなかったリーグ戦の6試合は4勝1分1敗で乗り切り、「宇佐美依存症」でないことを示したG大阪。宇佐美自身もアシストにも価値を見いだすかのようなやや逃げに近い発言を繰り返して来た。
大一番だった前節の浦和戦(2○0)で、早々に宇佐美に見切りを付け、リンスをピッチに送り出した長谷川監督。「自分で乗り越えるしかない」と一見突き放すような態度を見せていたものの、昨季自らが覚醒させたストライカーを決して見捨てたわけではなかった。
天皇杯準決勝では過密日程の中あえて、背番号39を先発させた…