
史上最攻をスローガンに掲げたC大阪だったが、J2降格の憂き目に
揺れに揺れたセレッソ号。羅針盤たる強化部の機能不全
今季はフォルランの獲得をきっかけに注目を集めたが、その期待を大きく裏切る結果となってしまった。その敗因はどこにあるのか。そして再起に向けて、いまやるべきことは何か。
開幕前の“引っかかり”
11月29日、鹿島に1-4と完敗し、3度目のJ2降格が決定した第33節の試合後。今季限りでの退任が決定している岡野雅夫社長がグラウンドに姿を現すと、スタンドからは大ブーイングが飛んだ。クラブ創設20周年。「目指すのは優勝じゃない、観客を魅了しての優勝」と息巻いて臨んだシーズンでの、壮絶なエンディングだった。
何が問題だったのか。今季のC大阪に起きた出来事を時系列で記しながら整理していきたい。
開幕前に行われたサポーターズコンベンションは、活気にあふれた。ただし、監督交代の経緯に関しては、引っかかりが残った。近年のC大阪のスタイルを作り上げたレヴィー・クルピという功労者へのリスペクトに欠けてはいないか、と。同イベント内では、ランコ・ポポヴィッチ監督の招聘理由として、当時の勝矢寿延強化部長は「組織力の向上」を挙げたが、ポポヴィッチ監督が率いた2013年シーズンのFC東京の成績を見れば、素直に頷ける言葉ではなかった。クラブの根幹となる監督、そして、強化部の組織と担当者の変更。何を残し、何を変えるのか。その点が曖昧だった。
ただし、そういった不安要素以上に、今季開幕前のC大阪が期待感に満ちていたのもまた事実だ。柿谷曜一朗(現・バーゼル)や山口蛍が日本代表に定着するなど若手が育ち、2010年W杯MVPのフォルランが加入した。クラブを取り巻く熱気は凄まじく、開幕前にキャンプを張った沖縄と宮崎では連日多くのサポーターが集まった。報道陣の数も尋常ではなく、まさに“ブーム”と言える活況を呈していた。
柿谷とフォルランの共存
今季序盤の大きな課題が、柿谷とフォルランの共存だった。練習試合でフォルランと初めてプレーした感想について柿谷は、「自分が合わせていかないといけない」と話していたが、実際、公式戦が始まると…
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C大阪、J2降格。その“敗因”はどこに?(後編)