鹿島に吹く追い風。7年前のような逆転優勝を

■鹿島アントラーズ
何も変わらない鹿島。さらに結束を強めて臨む
　特別なことは何もしない。トニーニョ・セレーゾ監督は今季最後の1週間をいつもと同じ内容で構成し、いつもと同じように試合に臨むことを選手に求めた。3日に引退を発表した中田でさえ特別扱いすることなく、11対11のミニゲームをやるときも2本目の控えとして起用。試合までの流れをほとんど変えず準備を進めた。陣容も出場停止のカイオに代わり豊川が入る以外に変更はないだろう。
　優勝の可能性を残したとはいえ、勝たなければ何も始まらない。昨季の最終節は広島に敗れ、目の前で優勝を決められた。そして、中田引退。試合の意義がさらに増したことを選手たちは感じている。
「このタイミングで浩二さん（中田）が発表した。次の試合で僕らが勝つことでプレゼントにできるチャンスを与えてくれたと思っている。その意味でも勝たないといけない試合になった」
　そう言ったのは赤﨑だ。
「浩二さんが…

■サガン鳥栖
主力3人が欠場。それでも前向きにACLを目指す
　残された可能性を最大限にするために、鳥栖はできることに集中する。タイトル獲得がクラブの目標だった今季、前節・浦和戦を引き分けたことでその可能性がついえた。しかしながら、退場者を出す数的不利の中、土壇場で追い付いたことでACL出場権獲得の可能性はつないでいる。3位の鹿島との直接対決を勝ち点差3で迎えるが、得失点差が『19』と開いており3位浮上は現実的ではない。となれば、4位を確保した上でG大阪の天皇杯優勝という“他力”での出場権を待ちたい。5位の柏とは勝ち点では並んでおり、得失点差わずかに1で上回っているだけ。4位死守の条件は、勝ったとしても柏の結果次第というシビアな状況だ。しかし、「得失点差はあまり意識せずに、勝つことだけに集中したい」と高橋は言う。ACL出場権獲得へ必要最低条件となる勝ち点3奪取に集中している。
　優勝の可能性を残す鹿島とのアウェイ戦というだけでも難関だが、…