■大宮アルディージャ
逆転残留のために。勝たなければ、何も得られない
大宮の置かれた状況は至ってシンプルだ。残留のためには他会場の結果も関係してくる(清水の敗戦が条件)が、目の前の相手に勝たなければ何も得られない。まずは全力で勝ち点3を得ることに集中する。
運命の大一番に向けて、出場停止明けのカルリーニョスが体調不良から回復し、前節・名古屋戦(1●2)で途中交代となった中村も問題なく練習メニューをこなしている。GK北野と主将・菊地の復帰は難しいが、ここに来て新たな離脱者が生まれなかったことは不幸中の幸いと言える。
渋谷監督は「私が監督になってからの3カ月間の集大成になると思う」と最終節を見据える。その意味するところは、この試合ですべてが決するというだけでなく、途中出場の選手も含めた総力戦ということでもある。「選手にとって『アイツが入った、よし!』という雰囲気を出させたい」と指揮官は語る。試合がこう着状態に陥れば、…
■セレッソ大阪
「悔いのないように」(楠神)。桜、意地の一戦
J2降格が決定した前節の鹿島戦(1●4)は、C大阪にとって考えさせられることの多い一戦だった。先発の平均年齢は、ともに25歳台。C大阪は扇原、杉本、南野、鹿島は柴崎、昌子、植田といった顔ぶれが名を連ねた。彼らは世代別代表の経験者であり、今後の日本代表での活躍も期待される面々だ。チーム構成や選手個々の質で、両者に大きな差はない。ところが、試合を迎える前の立ち位置は、かたや残留争い、かたや優勝争いと明暗分かれ、実際の試合でも、内容、スコアともにC大阪は鹿島に圧倒された。
チームに宿るスピリットの差。“ジェットコースタークラブ”のC大阪と、“常勝”鹿島の違いを見せ付けられた。2トップの一角として先発し、1点を奪って一矢報いた永井も、試合翌日、「同い歳の赤﨑が2点を取ったけど、自分にも2点目を取るチャンスはあった。決め切れなかったのは自分の力」と危機感をにじませるコメントを残した。
今節は、…