■ジェフユナイテッド千葉
リーグ上位の意地を懸け、最後の戦いへと向かう
7月30日、フクアリで行われたJ2第24節・山形戦はホームの千葉が2-0で完勝。関塚監督がリーグ戦ホーム初勝利を飾った。それから約3カ月後に天皇杯準決勝(2●3)で相まみえ、その11日後にはJ1昇格を懸けて雌雄を決することになる――。7月の時点で、誰がそんな未来を予想しただろうか。
天皇杯での敗戦もあり、千葉の準備における意図は非常に明確だ。守備面では天皇杯で苦汁をなめさせられたキム・ボムヨン、山田の強力な両ウイングバックを生かした攻撃を寸断すべく、サイドでボールを持たれたときの対応を徹底。縦を切ること、中でのマークを外さないこと、ボールの位置によって誰がアタックするのかなどを再確認した。特に新たな取り組みというわけではないが、J1昇格プレーオフは一つのゴールがすべてをひっくり返しかねない戦いだ。相手のストロングポイント対策に妥協はない。
それに対して、…
■モンテディオ山形
「まだ何も手にしてない」。あと一つ、つかみ取れ
J1昇格プレーオフはシーズン終盤の追い上げでギリギリ6位通過。「僕たちは失うモノはない」という言葉は複数の選手から聞かれた。引き分けでは敗退、勝たなければいけない状況を、アグレッシブに戦うスタイルとうまくリンクさせ、準決勝・磐田戦では後半ロスタイムのゴールという劇的な勝ち方で決勝の舞台にまでのし上がった。しかし、勝利の立役者となった山岸はいつもと同じ言葉を口にした。「まだ何も手にしていない」と。
決勝でも勝利が必須条件であることは変わらないが、この90分ですべてが決まる。スタジアムの雰囲気もいつも以上の高揚感に包まれる。それでも、失うモノのないチャレンジャーでいられるか。「百戦錬磨」の形容が付く石﨑監督も…