決して声を荒らげたり、チームに活を入れるタイプではない。それでもG 大阪の歴史を築き、代表でもさまざまな経験を積んできた背番号7 は主将として抜群の存在感を放った。2 年前にJ 2 降格を味わい、それでもG 大阪のユニフォームに袖を通し続けた主将はこの歓喜の瞬間に何を思ったのか。
一つずつ順位を上げていくことしか考えていなかった
徳島戦は前半から間延びしていたし、風も強かったのであまり良いゲームじゃなかったかなと思います。相手が引くのは想定内でしたが、前半で1点でも取れればラクな展開になると思っていたし、あれだけ守られると崩すのは難しいとも思っていました。試合終了の笛と同時に喜べるような状況じゃなかったし、他会場の結果待ちという感じでしたけど優勝が決まった瞬間はもちろんうれしかったですね。
今季の最初は難しかったですし、W杯の中断期間明けはかなり下の順位からスタートしなくてはいけませんでした。でも、上位を追い掛けるだけというスタンスに変わりはありませんでした。中断が明けたあとはリーグ戦で2回しか負けていないですし、攻撃も守備も全員が機能していました。交代で入ってきた選手も結果を出してくれました。そういう意味では安定して高いレベルで試合をできましたし、強いチームに徐々になれたことが、ここまで来られた要因かなと思います。あの順位から優勝できるのはなかなかないことですけど、1試合1試合いろいろなモノを積み重ねた結果なのかなと思いますね。
夏以降、首位の浦和との勝ち点差が縮まってもまったく「これはいける!」と思っていなかったですし、実際に勝ち点差は、ほんのちょっと前まで『7』ぐらいありました。首位のチームが勝ち点を失わない限り勝ち点差も縮まらないですし、僕たち自身の戦いも紙一重の試合が多かった。正直、そこまで「いける」という感じは持っていなかったし、「自分たちが連勝し続ければチャンスはあるんじゃないかな」という程度にしか考えていませんでした。もちろん数字の上で可能性がある限り優勝という目標を頭には入れていましたけど、一つずつ順位を上げていくことしか考えていませんでした。
今季のターニングポイントはどこだったかとよく聞かれるんですけど、僕はすべての試合がターニングポイントだと思って臨んでいました。リーグ戦は10カ月間を戦い抜いての結果なので、開幕戦でも第10節でも第20節だろうと気持ちは変わりません。常に同じような気持ちで挑めるように若いころからやってきたつもりです。ただ、いま思えば、浦和との直接対決(第32節・2●0)に勝ったことで、だいぶ浦和にプレッシャーを掛けられたかなと思いますね。本当にこの浦和戦までは状況は分からないなという感じでしたから。J2で戦った昨季は、選手の誰もが悔しい思いを持ちながら日々取り組んでいたと思いますし、当時から僕はJ1で優勝争いするだけの力があるチームだと思っていました。あの悔しさがあったから、今回の優勝があったと思っています。優勝したからといってその気持ちを忘れないようにしたいと思います。
今回の優勝は本当に大きな意味を持つと思います
ホーム最終節(第33節・神戸戦)のセレモニーの三冠宣言は、あれは場を盛り上げるために言いました(笑)。ただ、もちろん天皇杯も…