悔しさも過ちも、“神戸らしさ”の糧にしろ
84分、左サイドで速攻に持ち込んだ川崎Fは、レナトがドリブルで縦に抜け出す。それに対応したのは高橋だ。決してスピードでは負けていない。ただ、並走状態から抜け出せない。ペナルティーエリア内でタックルした。ジャッジはファウル。一発退場だった。試合後、高橋は開口一番、敗戦の責を口にした。「誰が見ても間違いなく僕の退場で試合が終わった」。献上したPKは、大久保のこの日2発目となる古巣への恩返し弾に変わった。
試合前日、小川は最終節への意気込みをこう話していた。「泥臭く、ですよね」。森岡も同様だった。「内容にはこだわらない。勝って終わりたい」。その気持ちは序盤からピッチにあふれた。その象徴がハイプレス。走力や運動量を必要とする守備戦術を遂行し、「外されても2度追い、3度追いする」(徳重)ことに執着心を持った。川崎Fの巧みなポゼッションは、神戸のプレスを何度もかいくぐる。ただ、…