Jリーグ初の外国籍選手新人王
20歳でこれほど見事にタキシードを着こなすことは日本人にはできないだろう。壇上に立ったブラジルの好青年は「このような賞をいただき感謝しています」と、まだあどけなさを残す人懐っこい瞳とは裏腹に堂々としたスピーチを見せた。
「なんでシンプルにプレーしない! そんなところで下を向いてボールをつついていたら相手に囲まれるのは当たり前だろ。まわりにはたいてゴールに走れ!」
2月の宮崎合宿で、カイオはトニーニョ・セレーゾ監督から何度も雷を落とされていた。高校時代は、チームを引っ張らねばならず、なにからなにまで自分でやろうとするクセが付いていたが、プロに入ればその意識は不要となる。もともと「チームのために」という意識が強く、それをどう表現すれば良いのか最初は戸惑っているようだった。しかし、シーズンが始まると…