本気で初タイトルを狙いに行ったからこそ、準優勝で満足する選手はいなかった。「決勝に出たからいいかという空気は僕は絶対イヤ。やっぱりファイナルまで行ったら、勝たなきゃ『良いシーズンだった、良い大会だった』とは言えない」(山岸)。一時追い上げたとはいえ、国内三冠が懸かったJ1王者の壁は厚く、勝負事という意味では厳しい結果に終わった。
しかし、来季のJ1参戦へ向けて課題をあぶり出すという目的においては、互いに本気度の高いシチュエーションは願ってもない濃密なモノだった。
J2では攻撃でミスをしても、守備への切り換えさえ遅れなければ、少なくとも決定機を与えることは稀だった。しかし、G大阪を相手にするとその多くが守備が整う前にアタッキングサードまで運ばれた。特にこの試合では…