膨らんでいく国民の期待、さらに前進するために
2014年の年の瀬。TVを付ければ、1年を振り返る特集が多く流れていた。スポーツの話題になると決まって登場したのが、フィギュアスケートとテニス。ソチ五輪で羽生結弦が金メダルを獲り、浅田真央も感動的な滑りを見せた。また錦織圭は全米オープンテニスで日本人初の決勝に進出した。画面にブラジルW杯で戦った日本代表の姿は出てこない。本当にW杯イヤーだったのかと疑ってしまうような感覚。まるで、あの6月の出来事がなかったことかのような扱いでもあった。
W杯以降初めての大会となる、アジア杯2015。大会を前に、選手たちの思いは一つだ。「W杯で国民の期待を裏切ってしまった。今回は、皆さんの思いにもう一度応えるための大会」。長谷部誠がそう代弁する。
決して慢心しているわけではないだろう。敗北の辛さは、ブラジルで痛いほど味わった。ただ一方で…