遠藤で始まり、遠藤で終わった試合
日本が入ったDグループの相手は、パレスチナ、イラク、ヨルダンと恒常的に紛争状態にある国、地域といっても差支えない。難民の流出、流入が絶えず、国家の基盤は極めて脆弱である。逆にネガティブな要素が多いぶん、サッカーに託す思いは強烈だ。代表選手、代表チームは国家を体現する象徴的な存在と言える。ゆえに国際的な経験値は乏しくても、代表選手のモチベーションは高い。
初戦の相手パレスチナは、アジアチャレンジカップを勝ち上がって出場権を得ている。対戦相手はキルギス、ミャンマー、モルジブ、アフガニスタン、フィリピンである。中東のDNAを持つパレスチナの出場は当然と言えるが、日本の初戦の相手としては、イラク、ヨルダンと試合巧者が次に控えるだけに、中東モードに気持ちを切り替える相手としては理想的な組み合わせとなった。
結果は4-0である。ほかのグループの強豪国が初戦に苦労したのに比べて、まるで日本は調整試合をしているかのようだった……