低下した宇佐美の運動量、最後まで落ちなかった武藤のパワー
土壇場で勝ち点2を失ったG大阪と、勝ち点1をもぎ取ったFC東京。『痛み分け』という言葉は決して適切ではあるまい。戦前から注目を集めた宇佐美と武藤のエース対決が、対照的な格好でスコアに反映した。
「試合内容は非常に良くて気持ちも入っていた」。長谷川監督は決して去勢を張ったわけではない。攻撃面でひたすら相手を押し込むのは、もはやG大阪のスタイルにあらず。ACLの反省を受け、守備意識を高めた前半は攻撃面でほぼ決定機はなかった。それでもロスタイムに、ラッキーな先制点が転がり込む。
宇佐美対策として右CBに入った森重に封じられていた背番号39のドリブルはタッチラインを割りながらも、審判が見逃し。FC東京が一瞬足を止めたところで遠藤のピンポイントクロスが送り込まれ、パトリックが先制点をヘディングで叩き込んだ。
粘り強い守りから、ワンチャンスでゴールをこじ開けるという勝利の方程式を成立させ、さらに53分には宇佐美がパトリックとのワンツーから抜け出して得たPKを自ら決めて2対0。“ウノゼロ”を得意パターンとしてきた三冠王者に流れは一気に傾いたかに見えたが、FC東京も交代と布陣変更で反撃に出る。
試合の流れを決定的に変えたのは…