“良いチーム”ではなく、“強いチーム”に
ゴールはなくても十分な手ごたえがある。そんな前半の戦いだった。工藤は「非常に気持ち良くサッカーをやっていました」と、柏が試合を優勢に進めた45分間を振り返る。29分に武富が放ったミドル、34分にクリスティアーノがポストに当てた直接FKなど、得点の気配も漂っていた。
しかしどんな“良いサッカー”も、結果に結び付かなければ、そこに喜びはない。大谷はハーフタイムに吉田監督から掛けられた言葉をこう振り返る。「『いまのままだと“良いチーム”だから、勝って強いチームに』と言われた」(大谷)。選手たちはその言葉に応え、62分には左SB輪湖のクロスからファーサイドにいた工藤がヘッドを決めた。
内容的な反省が残るのはむしろ後半だ。守備を修正した神戸に対して、柏が試合を制御し切れなかったからだ。「相手がギアを上げたときに、より多く自分たちの時間を作る」(工藤)という点は、…