誰もが知る、広島の洗練された組織戦術。守備時に5バックを形成し、攻撃パターンも多彩な相手に対し、ここ3年の名古屋は一度も勝利がなく、昨季は2試合とも大敗していた。
しかし、西野監督はそんな難敵を、巧妙な策で見事に封じ切ってみせる。その内実はやや変則的な「3-4-2-1」(本多)。守備時に、ミキッチを永井が、柏を矢野が徹底的に監視することで5バックを形成。彼らとの1対1を完璧に封じつつ、出し手の青山やCBにも複数の選手がフォアチェックを完遂したことで、広島に攻撃の自由を与えなかった。
そして最大の狙いは、フォアチェックとブロック守備からのカウンターアタック。守備から攻撃に切り替わる瞬間を全員が感じ取り、29分、31分と決定機を作ると、これが結実したのは前半ロスタイムだった。相手のサイドチェンジをカットした永井が素早くパスを送ると、…