コイントスの段階で運は鳥栖に味方した。キックオフ時点で甲府市は6.6m/sの風がアウェイゴール裏からホームゴール裏に向かって吹いており、コイントスに勝った鳥栖MF藤田は風上を選択。4分に豊田が山本に倒されて手にしたPKは風とは関係なかったが、公式戦5連敗中と流れの悪い甲府は、山本のような経験豊富な選手でも判断を誤ってしまう。これを豊田が決めると今度は風が本格的に鳥栖の背中を押し始める。GK林はただでさえボールが飛ぶ長尺ドライバーだが、風を利用して何度か高いパントキックを甲府のペナルティーエリア前に落として大きくバウンドさせるなど、高さのない甲府の最終ラインに圧力を掛けた。25分に水沼が押し込んだゴールも起点は林のキック。甲府は崩されたわけではないものの、樋口監督が会見で話した「軽い失点」を今節も続けてしまった。後半から樋口監督は…