■自分たち本来の姿を忘れて首位陥落
イングランドの強豪チェルシーからの正式オファーを受け、世間から注目を集める武藤は、この日も開始早々に先制点を奪ってみせた。しかし、昨季から続いていた得点試合の不敗神話(公式戦10勝5分)はついに終わりを迎えた。90分間を通した印象、そして選手たちの自戒のコメントを踏まえて言えば、FC東京は策に溺れて広島に敗れてしまった。
広島が「本当に独特な戦い方のチーム」(権田)であることは、Jリーグファンなら周知のとおり。前任監督の“ミシャ”ことペトロヴィッチ監督が現在指揮を執る浦和とともに、変則的な[3-4-2-1]システムは常に相手に対策を強いる。
敵をしっかり分析し、守備をベースに戦いを進めるリアクションサッカーのFC東京。「ある程度相手のスタイルに合わせることは間違いではない」と権田が話すとおり、今回は広島対策の戦術を採用した。ところが、これが予想外にハマらなかった。
序盤は普段の[4-3-1-2]を基本にしたFC東京だが、…