■運命を分けたのは開始3分のゴール
広島の佐藤がここまで“無力化”された試合はないかもしれない。「(川崎Fは)うまい。ボールが取れない」と水本が感嘆したとおり、90分間、ひたすら攻撃したのは川崎F。佐藤も自陣での守備に終始し、広島は11人で攻撃を“受ける”形になった。J1通算147得点の佐藤が川崎Fのゴールを脅かす場面は皆無だった。54分に浅野が投入されてからは効果的なカウンターはあったが、それも片手の指が余るほど。「シュートを打たせる場面がほとんどなかった」。角田も試合をこう振り返る。だが勝者は広島だった。
攻める川崎F、守る広島。この構図になったのも、開始3分のゴールがすべて。柴﨑が裏へ出したボールの処理を谷口が迷っているスキに、ドウグラスが背後からボールを奪い無人のゴールへ。「試合前からGKが初めての出場ということで、ディフェンスラインとの連係が序盤は良くはないだろうと。そこを突けた」(千葉)とはいえ、…