「前半のスタートは非常にチームとして組織的で、ゲームプランを実行できでいた」。そうネルシーニョ監督が語るとおり、神戸の立ち上がりはボールを保持しながら湘南ゴールへ迫る。一瞬のスキを逃さずマルキーニョスがJ1通算150ゴール目となる記念ゴールを決めるまでは、神戸の試合だった。
一方、先制点を奪われたあとのアクションがテーマとなっていた湘南は、失点の直後に菊池が「プレーで前へのパワーを出して、ネガティブな要素を消せれば」と思い切りの良いミドルシュート。これはポストに阻まれたが、もう一度前に出て行く姿勢をチームで共有。前半のロスタイムにはその菊池が倒されて得たPKを遠藤が沈めて、同点で前半を終えた。
その勢いを後半に続けたい湘南は、菊池を中心にスピードのある“らしい”サッカーを展開。しかし、ネルシーニョ監督の一手が試合をクローズさせる。選手交代で小川を右サイドにスライドさせると、湘南の攻撃を抑止。その一方で、「われわれとしてはラッキー」と曺貴裁監督が語るとおり、神戸の攻撃の迫力も削がれ、互いにあと1点が遠い展開となった。
両者はこの勝ち点1をどう捉えるか。それは連戦最後の次の試合にかかっている。(林 遼平)…