鹿島の奮闘の前に太田も、武藤も沈黙
監督就任以前にして、すでに来日回数は30回以上。かねてから日本のサッカー事情に明るいマッシモ・フィッカデンティ監督にとって、現在低迷しているとはいえ名門・鹿島は警戒すべき存在だった。「鹿島も当然、浦和やG大阪とともに、常に優勝するためにチームが作られている」(フィッカデンティ監督)。4連勝中のFC東京だが、慢心なく試合に入っていった。
相手にボールを回されても、我慢強く対応するのが好調を支えるFC東京の基本スタイル。一方、鹿島もMF3枚で守る傾向のあるFC東京の弱点をしっかり突き、小笠原と柴崎が小気味良くサイドチェンジをしながら揺さぶり、機を見て中央を狙う攻撃を続ける。その連続性がゴールを呼び込む。34分、ゴール前で森重と赤﨑がもつれ合ったあとのこぼれ球を土居が体をひねりながらシュートを放ち、ゴールにねじ込んだ。この場面、FC東京は11人全員が自陣に戻り、鹿島の攻撃に我慢して対応していたが、あまりにも引き過ぎた中で一瞬のスキを突かれてしまった。
後半、FC東京は…