シュートわずか3本。機能しなかった攻撃陣
守備時に[5-4-1]でスペースを消して守り抜く意志を明確にした甲府を、仙台は一度も崩せなかった。 甲府の佐久間監督は「仙台が新しいアタッキングにトライしていることを映像で見た」ということを、今回の作戦の理由として説明した。仙台にしてみればその“新しい攻撃”は、相手が守備に人数をかけていても崩せるようになるために、身に付けようとしているモノだったはずだ。
3試合連続で複数得点を挙げていたときの仙台の攻撃は、中央でもサイドでも、ワンタッチや縦パスを交えたパスワークで相手を揺さぶることができた。しかしこの日は2トップが中央で数的不利になってサイドに回避せざるを得なかったり、パスの出し手もコースが限定されて躊躇しているうちにボールを奪われたりと、機能性を欠いた。
「縦パスが入ったときの距離感が良くなかった」(奥埜)と、選手もピッチ上で実感。それでも奥埜が「前半はボールを取られても取り返すことができていた」と続けたように、攻撃の機会を連続して作り出すことはできていた。だがシュートに結び付かなければ点は取れない。仙台は前半、一本もシュートを打てないという散々な内容で終えた。
65分に、それまで耐えていた守備が左右に揺さぶられ、…