勝負どころを知る広島、新潟を完全に沈める
19分のCK。塩谷が大野を振り切ってヘディングシュートを決めると、先制を許した新潟の選手たちの落ち込みはスタンドまで伝わってきた。「広島に先に得点を与えると非常に難しい」(柳下監督)と、選手たちは十分に理解していたからだろう。ましてや、連敗中の上にけがや出場停止で多くの選手を欠いているチーム事情も合わさっている。新潟は37分に横パスをさらわれてカウンターから失点を重ねた。
しかし、新潟は立て直した。「落ち着き直すと自分たちのテンポでサッカーができる」(柳下監督)。前半終了間際に山崎が独力でゴールをこじ開けて1点差で後半に入ると、徐々に自分たちのペースをつかんで攻撃をしかけていった。
だが広島のしたたかさが上だった。オープンな展開に最適なFWである浅野を投入。森保監督が動くと、ピッチ上でも勝負どころを捉えているプレーヤーがいた。70分、相手DFが成岡へつけたボールを狙っていたのは森﨑和。成岡のトラップが収まらなかったところを…