■ガンバ大阪
目の前の試合に全力を。頂点に立った昨季の成功体験
1st第14節・横浜FM戦(1△1)は後半ロスタイムに執念を見せ、勝ち点1を積み上げたG大阪だが、首位・浦和との勝ち点差は『9』に広がった。消化試合が1試合少ないとはいえ、1stステージの優勝には黄信号が灯った恰好だ。ただ、ディフェンディングチャンピオンに悲壮感はない。「最後の最後まで優勝は狙っていきたい」(長谷川監督)。可能性がある限り、目の前の試合に全力を尽くす、という姿勢は決してプロとしての建前ではない。
ステージ制覇だけでなく、今季のG大阪が目指すのはチャンピオンシップ決勝にシードされる年間最多勝ち点だ。だからこそ前節の勝ち点1も「年間を考えれば大きい」と指揮官も評価する。目先のステージ優勝も大事だが、チームのスタンスは「一試合一試合を戦うだけ」(遠藤)。J史上最大の下克上を果たした昨季、目の前の試合にすべてを注ぎ込み頂点に立った成功体験がチームに刻み込まれている。
鹿島戦に始まるホーム3連戦は、…
■鹿島アントラーズ
昨季に引き続き楽しみな一戦。絶好調・赤﨑が先発か
それは不思議な感情だったと言えるだろう。
昨年4月、万博でのG大阪戦を2-0で完勝したあと、鹿島の選手たちの表情は少し寂しげだった。長年、切磋琢磨してきたライバルにアウェイで勝利したことを喜ぶのは一瞬。ほとんど見せ場を作ることなく敗れた相手の変わり果てた姿に、「万博に来ればいつも楽しい試合ができていたのに」と表情を曇らせていたのが印象的だった。
しかし、それからわずかな期間でG大阪は国内タイトルを総ナメにした。これまで鹿島しか成し遂げていなかった国内三冠をあっさり達成。その原動力となったのがJ屈指と言える宇佐美とパトリックの2トップだった。実際、彼ら二人がそろった10月のカシマスタジアムでの試合では、2-3という激しい打ち合いとなり、敗れてもなお、昨季のベストゲームにこの試合を挙げる鹿島の選手は少なくない。今回もまた、楽しみな一戦となるはずだ。
攻撃陣では、…