完璧な前半から一転、後半は押し込まれる
前半、C大阪は危なげない試合運びで主導権を握り続けた。攻撃ではスムーズにボールが回り、パウロ・アウトゥオリ監督が常々口にしている「幅を使って揺さぶりながら、縦を狙う」形も機能。何度か先制のチャンスを逃して迎えた27分、リスタートから山口が素早く扇原に渡すと、扇原は持ち味である正確なフィードを前線に通す。このパスに反応した楠神がDFとGKの間のスペースに侵入し、ワンタッチでGKの頭上を越すループシュートを決めた。C大阪は全体の距離感も良く、コンパクトさを保ってプレーしていたため、プレスも掛かり、セカンドボールも奪って2次攻撃につなげるなど、前半は愛媛のシュートをゼロ本に抑えた。
しかし、後半は一転、「選手たちの『負けたくない』という心理的な部分も影響して、思うような試合運びをすることはできなかった」とアウトゥオリ監督も振り返ったように、シュートは1本にとどまり、前に出られない。茂庭が投入され、より守備への意識が強まったラスト10分間は、深い位置を取るディフェンスラインと中盤との間にスペースが生まれ、…