スキを見逃さず、サイドからこじ開ける
リーグ序盤戦、大宮と対戦するチームは前線からのプレッシングで主導権を握ろうとすることが多かった。しかし大宮の攻撃組織が完成するに従い、後方でブロックを組むチームが増えている。前節対戦した福岡は極端な例だったが、今回の讃岐はより完成度の高い守備組織でスペースを消してきた。
大宮はボールこそ握れるものの、ピッチの4分の1まで引いて[4-5-1]のコンパクトなゾーンを作る讃岐に対して有効な攻め手を見付けられない。「(讃岐が)ハーフウェイラインからゲームを始めるということで、いろいろな距離感とかスペースの空き方が見えなかったのかなと」(渋谷監督) そんな中で転機は唐突に訪れた。讃岐の左SB小澤が攻め上がってシュートを放つと、その際の接触の影響で治療のためピッチ外へ。相手が10人になったスキを大宮は逃さなかった。20分、讃岐が「小澤が抜けて[4-4-1]になったところでサイドの受け渡し、マークのアプローチのスピードが落ちてしまった」(北野監督)ところを突き、「相手が堅かったので、『速い攻撃をしよう』と思っていた」という泉澤が…