忘れられない5年間、素晴らしい5年間でした
震災のあと、少しでも喜びを与えられてうれしかった
―5年間在籍したベガルタ仙台を離れるにあたり、率直ないまの気持ちを教えてください。
「自分でも本当に悲しいですし、残念な気持ちでいっぱいです。ただ、こういうこともあり得ることです。その中で自分はできるだけ全力を尽くしてきたので、悔いはありません。残念ですが、退団することになりました」
―ウイルソン選手にとって仙台は03年にはU-18ブラジル代表で訪れるなど、縁のある土地でした。ここで5年間暮らせたことを、どう思っていますか?
「本当に素晴らしい場所でした。クラブだけでなく、サポーターの方にも、街の方にも本当に良くしていただいて、自分の子供の教育面でも素晴らしい環境でした。素晴らしい5年間でした」
―東日本大震災翌年の12年からプレーし、Jリーグベストイレブンに選ばれるなど活躍されました。このチームでの活躍を振り返って。
「自分の仕事を果たせたと思います。震災のあと、いろいろな方が苦しい状況の中で、チームが団結して、彼らに勇気を与えられたこと、それから少しでも喜びを与えられてうれしかったですし、良かったと思います」
―12年当時の監督だった手倉森誠さんとの話で、印象に残っていることがあれば教えてください。
「(涙を浮かべ、声を詰まらせながら)自分がベガルタに来た当初に、一度二人で食事をしました。そのときに、…