■サガン鳥栖
意思統一した守備ができるかがカギ
理想と現実にどう折り合いを付けるか。J1昇格後、最初の対戦で勝利して以降、リーグ戦では5連敗中。1勝5敗という天敵・広島をホームに迎える。
「ウチはプレスを掛け続けると思う」と谷口が話すように今季の鳥栖の特長は前線からのプレス。昨季までは低い位置でブロックを敷くスタイルだっただけに広島の3バックが深い位置で回しても鳥栖は奪いに行かない。にらみ合いの構図が展開されるのがこのカードの常だった。今回はその構図にも多少の変化が生まれることになりそうだ。
後半に失点が集中している鳥栖だが裏を返せば試合の入り、前半の出来は良い状態が続いている。それを90分続けるのがテーマだが、急に良くなることはない。「後半にプレスに行けていないわけではないけど、バラ付きがある」とGK林は分析する。個々で体力にも差がある。その中で「前から行くっていう考えが強過ぎて(ペース配分を考えず後半)甘さが出てしまっている」(林)という状況が後半の失点につながっている。だからこそ、…
■サンフレッチェ広島
浦和追走のためにも落とせない一戦
1stステージ最終節を迎え、広島は2位に付けている。シーズン前の評価は決して高くなかったが、「より全員でハードワークし、全員で攻守に連動していくサッカーをお見せする」と語ってスタートを切った指揮官の言葉どおりの内容を見せてきた。
序盤戦は得点力に苦しみ、広島の代名詞であるコンビネーション攻撃は影を潜めたが、チーム全体でハードワークの強度を高めてしぶとく勝ち点を積み重ねてきた。盤石の3バックとGK林は抜群の安定感でチームを支え、青山と森﨑和のボランチコンビは理想を追いつつ現実と向き合い我慢強くゲームを運んでいく。先発の平均年齢が30歳を超える試合も少なくない今季の広島は、闇雲にあがいてバランスを崩さない経験値の高さが最大の武器。そこに浅野や野津田がフレッシュな風を吹き込ませ、ようやく得点力も上がってきた。チームは確実に上昇曲線を描いてきた。
一区切りとなる今節の鳥栖戦は、「決して消化試合ではない」(森保監督)。年間勝ち点で…