“チーム全員の気持ちが乗った” 昌子の勝ち越し弾 苦境から脱するために一人ひとりにできることはわずかかもしれない。しかし、監督は監督なりに、選手は選手なりに、そしてサポーターはサポーターなりにベストを尽くした結果、巨大なうねりがスタジアムを包み込む。ピッチに立つのは11人ながら、試合を戦う人数は遥かに多かった。圧倒的な後押しを受けた鹿島が、前半からFC東京を飲み込んだ。
チームは短期間で眠りから醒めていた。石井新監督の「最低限、戦う姿勢を見せたい」という求めを徹底。球際に激しく寄せ、セカンドボールに飛び込む鹿島らしさを見せる。集中力の高さや闘志の違いがゲームを傾け始めると、30分、柴崎が右足を振り抜く。DFをかすめたシュートはGK権田の逆を取り、鹿島が先制点を挙げた。…