絶望からの生還だった。
新潟の劇的な勝利を演出した“事件”は66分に起こった。ハーフライン付近で赤嶺を背走していたレオ・シルバが、後方から蹴り上げる。ボールとは直接関係ない場所でのプレーだったため一瞬、何が起きたのか分からなかった。混沌とする状況下で主審は、新潟の攻撃を中断しゲームを止めた。主審は副審に状況を確認、両チームの小競り合いが起きる中でレオ・シルバにレッドカードが提示された。騒然とするスタジアム。新潟にとって、数的不利に加えて第2戦のレオ・シルバ不在は、決勝への希望の灯が消えかかる絶体絶命の状況だった。
そこからが采配の妙だった…