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何ができるのか、何ができないのかを一番下からやっていきたい
きれいごとを抜きにして『無理だな』と思った
――公式戦がすべて終了し、現役生活が終わりました。実感
はありますか?
「まったく実感がないというか今日、みんなが集まる最後のミーティングでも『今年で退団する選手は前に来てくれ』と言われたときにピンと来ませんでした。いつも、見ている側だったから『ああ、俺か』という感じぐらい。全然、実感がないんですよ。不思議な感じですね。ただ、いまからでも予想できるのはシーズンオフに練習をしないということ。俺は結構、ビビりなのでシーズンオフでも練習をがっつりやるんです。それをやらないというのがね。そういうときに(引退したことを)実感していくのかなと思います」
――あらためて引退を決断した理由を教えてください。
「体力的な部分はしょうがないというか、年齢を重ねると衰えてくるものだと思います。ただ、それでも維持する人は維持します。俺の場合はそれができなかったけど、ただ(引退を決断したのは)気持ちのほうが大きかったですね。若いときからどんな年齢であれ、どんな状態であれ、試合に出てナンボだとずっと思っていたし、試合に出られない環境はまったく受け入れることができなかった。それが今年になってからまったく何も感じなくなってしまった。そのときに『もう、無理だな』と思いましたね」
――意識した時期やきっかけはあったのでしょうか?
「今年が契約自体も最終年でしたし、『今年ダメならもう…』という思いで最初はやっていました。その中でなかなか試合に絡むこともできませんでした。自分の中でも奮い立たせようと思いましたけど、その反面、なかなか気持ちが乗らなかったり、モチベーションが落ちたときにきれいごとを抜きにして『無理だな』と思いました」
――肉体的にはまだやれるという感じだったのでしょうか?
「いや、実際に…