パワーがあるうちに自分の思いを伝えることができたら
引き際を決めるのは難しい
――引退発表があったのは12月1日でしたが、11月22日のリーグ戦終了後はどうなさっていたんですか?
「すでに引退を決めていたので、残りの練習には参加しませんでした。ソリさん(反町監督)の力になりたいという思いがあって松本に来たこともあり、J2への降格が決まったときに『ここだな』と。引き際をどうするか。力不足を実感したら辞めようと思ったんです」
――どこまですり減ったらやめるのか。
「引き際を決めるのは難しいです。サッカーを好きな気持ちはありますが、目指すところがないとパワーを持っていけない。昔から目指すところに向けて努力するタイプだったので、この年齢になり、また新しく目標を定めてトレーニングをする。となると、ではどこに目標を設定すればいいのか…。やれるかやれないかで言えばやれるのですが、でも、形にできるかどうかを考えたときに、それはできないと思いました。であれば、これからの人生、やりたいこと、できることに力を費やしていきたい。パワーがあるうちに地元つくばの小学校の子どもたちに、自分が小さいときに感じたことを伝えることができたら、まだパワーを感じているうちに教えられたら、と」
――松本で終わりにしようと思う前からサッカースクールでの指導は念頭にあったのですか。
「松本が最後のチームになると思っていました。ほかのチームに行く気持ちはありませんでした。磐田で引退するかオファーがあったとしても(反町監督が指揮を執る)松本だな、と。松本からオファーが来なければ辞めようと思っていたところ、…