Photo: Atsushi Tokumaru
遠藤が見せた粋なはからい
良くも悪くもマイペース。スタンドプレーを人一倍嫌うはずの遠藤が表彰台で見せた渾身のパフォーマンスに、明神智和の10年間の重みが凝縮されていた。
「それだけの(価値がある)選手ですからね」
天皇杯決勝で宿敵・浦和を1-2で下して、表彰台に上ったG大阪の選手たち。昨季三冠を独占して以来、不言実行の主将がトロフィーを掲げる光景にもはや、目新しさはない。
ただ、14シーズンのJリーグMVPは、とっておきのサプライズを用意していた。
「いい男ですね。驚きました。普段はなかなか気持ちを出さないヤット(遠藤)なので」(明神)。
高円宮妃殿下から受け取ったカップを一旦、チームメートに預けた遠藤がくるりときびすを返すと、誇らしげに親指で示した背番号は『17』。今季限りでチームを離れる僚友への思いを胸に、明神のユニフォームを着込んでいたのだ。…