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2点を先行し、試合をコントロールした大宮
ホーム開幕戦で勢いに乗りたい大宮だったが、序盤の主導権を握ったのはアウェイの柏。ピッチをワイドに使いながらSBの裏を狙う形でチャンスを創出し、1分に大津、5分にディエゴ・オリヴェイラがビッグチャンスを迎えた。しかし結果から言えば、ここで先取点を取れなかったことが柏には災いした。大宮のエースストライカー、ドラガン・ムルジャが、ここから圧巻のゴールショーを披露したからだ。
9分、ネイツ・ペチュニクのFKのこぼれ球にイチ早く反応して先制点を奪うと、15分には河本のロングパスをドリブルで運び、柏の伊東を振り切ってフィニッシュ。背番号8の躍動により、大宮は一気に2点のリードを手に入れた。「FK1本から点が入ったことによって、ゲームの流れがわれわれに少し傾き、そこでもう1点追加できたことが勝利の一番の要因だと思う」(渋谷監督)
指揮官も振り返るように、2点を先行したことによる影響は随所に表れた。開幕戦・FC東京戦(1◯0)と同じように押し込まれる展開ではあったが、全体的なプレーエリアはやや高くなり、特に後半は効果的なカウンターも見せている。カウンター時に何度も前線に駆け上がった岩上は「カウンターでは走力を生かしながら、リスク管理を大切にして、上がるべきなのか下がるべきなのか考えながらやっていた」という。ただ耐え忍ぶだけではなく、脅威をチラつかせることによって試合をコントロール。結果的に無失点のまま、ホーム開幕戦を勝利で飾った。
大宮にとって開幕2連勝は00年以来であり、J1では初めてのこととなる。J1復帰後最初のNACKで、大宮は新たな歴史を積み上げた。(片村 光博)…