武藤はなかなか面白いかもしれない
ベネズエラ戦では若い二人(武藤嘉紀、柴崎岳)が点を取った。その事実は良いことだ。
武藤は利き足ではない左足で決めた。ああいうシュートをコンスタントに打てるならば、かなり期待ができる。あまり褒め過ぎると良くないかもしれないが、1試合前でポストに当てるシュートを打って期待をさせておいて、実際に次の試合で決めるのはなかなかできない。大したものだ。その二つのシュートの場面では、遠目からしっかりとボールにミートさせていた。しかも、シャープな動きで。蹴るテクニックの高さを見せたシーンだった。ベネズエラ戦では、右に走ってフリーになろうとした本田圭佑を無視して決めた。彼はそういう意味で“人生音痴”かもしれないが…、良いと思う(笑)。なかなか面白いかもしれない。
柴崎が奪ったゴールは、ボールがセンターサークル付近にあったところからのカウンターだ。左からクロスが上がって、人がいないはずのファーサイドに柴崎がいた。ゴールが欲しくて中央に入っていった本田の裏に、クロスが上がってくるだろうという読みで上がっていたんだ。そこに、彼なりの“読み”があった。
中盤の人選にこれからも注目したい
5日のウルグアイ戦に比べると、ボールの扱いに長ける選手が前線に増えた。具体的に言えば、柴崎、そして大迫勇也と柿谷曜一朗だ。前線でタメができると、試合としては面白くなる。それは選手の意識が変わったのではなく、人が代わったということ。ただ、すべてのポジションにテクニシャンが入ると、難しい問題も出てくる。たとえば、森重真人が入ったポジション(アンカー)と、細貝萌が入っているポジション(インサイドハーフ)。彼らのところに、もっと技術に長けた選手を入れれば、単純にボールの回りは良くなる。そこで問題になるのは、チームは勝負の懸かった試合をしているということ。守備面で良さを見せる森重と細貝の必要性はそこにある。森岡亮太をそこに入れればいいという簡単な話でもない。柴崎にしても、細貝ほどの守備面での強さはない、前の3人(3トップ)、そして中盤の3人のところに攻撃的な選手を置くか、守備的な選手を置くか。その判断にこれから注目したい。
ハビエル・アギーレ監督の[4-3-3]は、選手にとっては…