ここは豊田スタジアム。言わずと知れた、名古屋グランパスの本拠地である。78分に田口泰士がピッチに投入され、81分に川島永嗣が西川周作と交代するまでのたった3分間ではあったが、その間、代表戦士11人のうち実に5人の新旧名古屋勢がピッチに立っていた。川島、吉田麻也、田口、本田圭佑、豊田陽平。名古屋の赤いシャツに袖をとおした選手たちに、スタンドに集まった地元ファンは熱視線を送った。
先制点を挙げたのは吉田だ。CKにファーサイドで詰め、頭でねじ込んだ代表約3年ぶりの得点。
「あの1点がなかったら、こういう結果になり得なかった」。本田がそう言うほど、貴重な得点だった。「一番好きなスタジアム。久しぶりのゴールが取れて良かった」。スタンドでは英国から帰国中の妻も観戦していた。妻の地元でもあり、自分の母校(豊田高)もある場所。青春時代の詰まった地で、吉田は成長した自分を証明できた。
この試合のちょうど1週間前だった…