やはり最後に決めたのはこの男だった。チームのバンディエラであり、頼れる兄貴、木島良輔だ。
今季は度重なるけがに悩まされた。しかし、この35歳になるベテランFWは、いったんピッチに立つと衰えを感じさせないキレで魅せてきた。そして、この試合でも。71分、守備陣の裏を突く大好物のロングボールに反応し、そこで相手CBと対峙。上背のない木島はボールの着地点近くで一度相手に体を預けながらも高さでは競り合わず、くるりと軽い身のこなしで相手をかわして見事に抜け出た。そのままGKもかわし、シュートコースに入ったDFの動きも見極めて左足を振り抜いた。値千金の決勝ゴールが決まり、チームメートらが木島の上に折り重なるように乗りかかって歓喜の祝福。今季、最も手荒い祝福だったが、このゴールの持つ意味を考えれば当然のアクションだった。
歳は取ってもいつまでも木島は“悪ガキ”のままだ。その能力を…