9年ぶりの0-0を生んだ、青赤の組織的な守備
多摩川クラシコがスコアレスドローに終わったのは、実に9年ぶり。確かに、このカードは得点が動く印象がある。過去には、7-0で川崎Fが快勝すれば、5-4でFC東京が逆転を果たすという試合もあった。歴史を辿れば、今回は印象に残りづらいモノかもしれない。ただ、それは結果だけを見たときの話。ネットが揺れることはなかったが、互いの戦術と戦術がぶつかりあった好ゲームだったことは間違いない。
「(高橋)秀人があれだけ来ていたからね」(中村)。この日、川崎Fの前線の選手たちは“相手のシステムの穴を見つける”作業にかなりの時間を要した。3ボランチを形成し、前線の選手に対して厳しくチェックに来るFC東京の組織された守備陣に川崎Fは苦しめられた。「サイドをうまく使って相手のボランチを釣り出して、中を使う」。田中は戦前に攻撃のイメージを語っていたが、…