■課題は残るも、勝ち切ったことに意味がある
仙台サポーターの大歓声が、試合終了のホイッスルとともにため息へと変わった。3点リードをしていたFC東京は、88分からまさかの2失点。このままホームチームの勢いに飲み込まれてしまう雰囲気も漂った。しかし、何とかしのぎ切って白星をもぎ取った。鬼門・仙台でJ1リーグ戦初勝利。最後は胸を撫で下ろす、ヒヤヒヤの逃げ切り劇となった。
試合後、マッシモ・フィッカデンティ監督はロッカールームでご機嫌斜めだったという。3点差の完勝だったはずが、肝を冷やす勝ち方になったからだ。会見場に姿を現したときには落ち着きを取り戻し、チームへの自戒を込めてこう語った。「ポジティブな経験でもあった。選手たちは審判の笛がなるまで試合は何が起こるか分からないということを教訓にしたはず。いま、チームは徐々に成熟してきている。勝利とは何かを理解し、流れを読んで試合を構築できるようになっている。試合後の選手の顔を見ていると、皆が反省していた。それは良かったことだと思う」。
同じく森重も、…