試合を動かしたのは精度の高いセットプレー
15分、福森の直接FKが鮮やかに決まり、アウェイの札幌が先制に成功する。対して千葉の攻撃がチャンスになる場面は大半がセットプレーだった。中村という左利きのキッカーに加え、水野が右サイドからのロングスローで札幌を攻め立てる。特に中村は36分、41分と右サイドのほぼ同じ位置からあわやという場面を作り出し、得点の匂いを漂わせた。1点ビハインドの千葉の攻勢を札幌がしのぐ展開は後半も変わらない。その流れで札幌がファウルを犯し、千葉のセットプレーが増えていく。W杯など幾多の修羅場をくぐってきた稲本は「無駄なファウルをしないという基本的なところで、相手のほうが上だった」と苦い表情で振り返る。CKだけでなくFKが増える展開は札幌にとって苦しい流れだった。
追いかける千葉がようやくゴールをこじ開けたのは、後半ロスタイム間近の90分の出来事だった。中村のFKを頭で決めたのはネイツ・ペチュニクで、それまで粘り強く対応してきた札幌守備陣も精度の高いボールと圧倒的なフィジカルに屈した。
終わってみれば両チームとも…